聖なる谷
聖なる谷
この谷の農生産は、機能性よりも儀式色が濃く、またこの土地の住民や農民はここに住む特権をもつ選ばれた人たちであった。
インカ族の聖なる谷は、ピサック、オリヤンタイタンボの両石造建造物群の間、ウルバンパ川に位置する。自然が作り上げた、道ともいえるこの川を辿って行くとマチュ・ピチュに出る。
インカ族の天文学者や祭祀は、この谷や川を、リヤマやコンドル、木などのインカの神聖な星座をもった天の川の投影だと考えていたため、この土地を神聖視していた。このためインカ族が谷に作り上げた風景には、エネルギーが集まるとともに、様々な地形によって不思議な力が備わっている。ピサツクとオリヤンタイタンボの両石造建造物群は単なる崇拝所ではなく、インカ帝国と言われるタワティンスーユの政治。宗教聖地であった。
ピサック
ピサックは、ウルバンパ川の右側のユカイ地方にある。その名は、現在は絶滅してしまったが、この地に生息していたヤマウズラに似た鳥に由来している。ピサック石造建造物群は、要塞や兵舎のある軍事部分、至聖所や太陽の神殿のある宗教部分、選ばれた住民の住む町の3 つに分けられる。
この軍事的建造物や要塞は、戦術的に谷全体が見渡せる山の真申にある。その壁は厚く、内側に傾いており、また2 0 0 m 以上の長さの天然岩の上にあることからも無敵の様相を与える。至聖所は山頂にあり、研磨された石でつくられた部屋が7 つある。中央には太陽神に奉げられたインカの主要崇拝所であるインティワタナがあり、聖なる谷を一望できる。町を形成する約2 0 の建物は、山すそに沿って半円形に配置されており、その建築は質素に仕上げられている。


ピサックにある市場。主にお土産物屋。


